ロシアのウクライナ侵攻から3週間余りが経過した。停戦交渉の歩みは遅く、一般市民の犠牲は増え続けている。通信アプリ「LINE(ライン)」で読者とつながる岐阜新聞の「あなた発!トクダネ取材班」(あなトク)がこの紛争に関する意見を募ったところ、「一刻も早い停戦を」「子どもの犠牲に胸がつぶれそう」などと事態の早期収拾を願うメッセージが多く寄せられた。

 ロシアの行動を非難し、ウクライナ国民に気持ちを寄せる声が圧倒的だった。

 各務原市の会社員女性(57)は「ウクライナの状況が日に日に悪くなっていくこと、巻き添えで子どもが亡くなっていることを知り、本当に胸がつぶれそう」と悲痛な声を上げた。多治見市の主婦(57)は「被害を受けた子どもたちの姿を見ると本当に心が痛む」と漏らした。岐阜県マスコットキャラクターのミナモとウクライナ国旗の色が同じ青と黄色という点に着目したという大垣市のパート女性(52)は「岐阜からウクライナを応援しています」と語った。

 日本で戦争を体験した人の声も。岐阜市の無職女性(84)は「空襲警報が怖くて、これがなかったらどんなにうれしいだろうと子ども心に思った。戦争は愚かな最低の行為だ」と自らの経験を振り返り、ロシアによる侵攻を断罪した。

 ミサイルが飛び、流血し泣き叫ぶ市民の姿が繰り返しメディアで放映されている。加茂郡七宗町のパート女性(39)は子どもに「なぜ戦争しているの」と問われたといい、「何と答えたら正解なのか分からなかった。早く終わることを願うばかり」と戸惑い気味に語った。

 外交交渉もむなしくロシアが侵攻に踏み切ったことで、日本の安全保障に言及する人もいた。

 可児市の50代の会社員男性は平和を願いつつ、ロシアや北朝鮮、中国を念頭に「日本をどう守るか本音で考えることが、次世代へ向けた自分たちの役割だ」と強調。羽島市の無職男性(69)は「核の抑止力が核保有国に対する唯一の防御ではないか。日本は早急に改憲を行い、米国との核共有が必要だろう」と踏み込んだ議論を求めた。

 一方、反戦、平和を貫き通すべきだとする声も少なくなかった。

 岐阜市の男性会社員(67)は「武力で問題は解決しない。新たな憎しみと報復を生むだけ。顔を突き合わせて話し合うしかない。どちらの国の意見にもくみすることなく、地球規模の世論づくりが必要だ」と主張した。

 メッセージは18、19日に募り、61人から寄せられた。

【寄せられたメッセージ】

■子どもたちからどうして戦争をしているのかと聞かれたけれど、何と答えたら正解なのか分からなかった 加茂郡七宗町、パート女性(39)

■小学校の頃に戦争を体験した。空襲警報がなければいいなと子ども心に思った。戦争は愚かな最低の行為 岐阜市、無職女性(84)

■巻き添えで子どもが死んだニュースに胸がつぶれそうな気持ち。誤った指導者を罰して、意味のない戦争をやめよう 各務原市、会社員女性(57)

■21世紀になっても戦争はなくならなかった。核保有国が非保有国を核で脅すなんてフェアじゃない 岐阜市、自営業男性(59)

■日本は早急に改憲を考えるべき。米国との核の共有を考えてみては 羽島市、無職男性(69)

■ミナモはウクライナ国旗の色。岐阜からも応援しています 大垣市、パート女性(52)

■ウクライナも最低限譲歩して、即時停戦に持ち込んでは。人命が一番 羽島市、会社員男性(62)

■私たち一般市民は何が正しく、何が間違っているか見極める目を持ち、判断する必要がある 多治見市、無職女性(57)