岐阜県大垣市三塚町の東中学校で10日、豪雨や洪水による水害時の避難行動を2年生が学ぶ防災学習が行われた。浸水時の状況を再現する仮想現実(VR)システムによる疑似体験や、浸水した場所に見立てて水を張ったプールを歩く体験を通して、水害への準備や迅速な避難の重要さを体感した。
VRは、中部地域づくり協会(名古屋市)が開発したシステムで、迫り来る水の中に取り残された状況を着用したゴーグルとヘッドホンで体感できる。VRを体験した生徒からは「水が迫る速さが分かった」「早い避難が大切だと理解できた」といった感想が聞かれた。
また、30センチほどに水を張ったプールでは、浮遊する障害物に見立てたビート板をよけながら、水の中を歩いて避難する体験をした。夜間の避難を再現するため、タオルで目隠ししながら友人に手を引いてもらうといった体験もあり、生徒たちは安全な避難行動の難しさを実感していた。
生徒は「水を吸った靴や靴下が重くなり、足が引っ張られて危ないと分かった。水害に遭った経験がないので、体験をしっかり生かしていきたい」と話していた。