7月からレジ袋が有料化。マイバッグ持参の買い物が定着しつつある=岐阜市福光南町、ドラッグユタカ岐阜福光南店

 レジ袋が有料化されて1カ月、市民の生活や意識にどんな変化があっただろうか。無料通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる「岐阜新聞 あなた発!トクダネ取材班」がアンケートを実施した。「買い物袋(マイバッグ)を持ち歩くようになった」とエコを意識した生活習慣の変化を挙げる人が多い一方で、新型コロナウイルスの感染拡大で同じマイバッグを何度も使うことへの抵抗感や、袋を使わず手で持ち帰ると万引に間違われそうとの懸念、「有料化が本当にエコに結び付くのか」との疑問の声なども寄せられた。

◆衝動買い減った

 アンケートは7月29、30日に実施し、約150件の意見が寄せられた。「かばんや車の中にマイバッグを常備するようになった」「マイバッグ持った? がわが家の合言葉になった」「マイバッグの容量を考えて買い物をするようになり、余計な買い物が減った」など、暮らしの変化を感じさせるエピソードが多く寄せられた。

◆袋ないと「万引みたい」

 目的地がスーパーの場合は、バッグを持参する習慣が身に付いた一方、思い立った買い物の際に不便さに気付く人も多いようだ。岐阜市の50代パート女性が「コンビニはふらりと立ち寄るのでマイバッグを準備していないことが多く、コンビニの利用頻度が減った」と答えるなど、衝動買いがなくなったとの意見も多かった。

 新たな"課題"も浮かび上がった。中津川市の50代パート女性は「コロナ流行の中で何回も使う袋は不衛生。2回に1回は洗っている」と懸念を示し、各務原市の30代主婦は「衣料品店でマイバッグを忘れて、手で持って帰る姿が万引みたいに見えた」と指摘した。

◆ごみ袋再利用できず購入...エコ?

 特に多かったのは、レジ袋をごみ袋として再利用しているとの声。「結局ホームセンターや100円ショップでレジ袋と同じものを購入している。お金を出して買うようになっただけで、プラスチック削減にはなっていないのでは」などと、環境への効果を疑問視する声も挙がった。また、コンビニの利用者からは「外出時に買った物やおしぼりのごみをレジ袋に入れて捨てていたが(マイバッグだと)それができない」という意見や、その影響か「ポイ捨てが増えた気がする」との声も複数あった。

 一方、店舗側は客の意識の高まりを実感する。100円ショップを全国展開するセリア(大垣市)では、7月のレジ袋購入率は10%以下。岐阜市福光南町のドラッグストア「ドラッグユタカ岐阜福光南店」ではレジ袋購入率は7月下旬までで14%ほどで、藤吉誠店長(43)は「初旬は購入者が多かったが、徐々に袋を持参する人が増え(有料化が)認知されてきたと感じる」と語った。岐阜市今小町の弁当店も「マイバッグを持参する常連もいる。エコ意識は浸透してきているのでは」と話した。

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