学習時間の確保などを目的に県内各地の中学校で実施される4時禁ルールは必要か。ネット上で議論を呼んでいる(本文と写真は関係ありません、コラージュ)

 岐阜県内各地の中学校で、授業が午前中に終わって早く帰宅した生徒に、午後4時まで外出を禁じる「4時禁(よじきん)ルール」があることを紹介した「岐阜新聞あなた発!トクダネ取材班」の21日付記事が反響を呼んでいる。

 あなトク取材班には「冬は4時半までに帰宅する決まりがある」「小学校は3時禁」などの情報が寄せられ、ルールへの疑問の声が目立った。一方、学習時間の確保や安全面への配慮などを理由にする学校側への賛同意見や「下校後の生徒の行動も学校の責任にされてしまうから仕方ない」といった擁護論もみられた。

 本巣郡北方町の40代自営業女性は、小学6年の娘が通う小学校で午後3時まで外出を禁止するルールがあるとの情報を寄せた。「用事があって3時より前に一緒に外出すると、知り合いに会わないかと心配している。かわいそう」と話す。

 4時禁を採用する羽島市内の中学校に勤める20代男性教諭は「守らなかった場合の反省文、地域住民や同級生からの"密告"は確かにある」と明かし、「ルールの意図は理解できるが、学校は責任を抱えすぎている」と指摘する。

 4時禁がある揖斐郡大野町の中学校に長男が通う40代女性会社員は、入学時に学校が配った冊子「生徒の手引き」に記された生活ルールに疑問を呈する。4時禁の記述はないが、11、12月は午後4時30分までに帰宅する決まりがあり「(4時禁の日は)30分しか外で遊べない」。大野町外へ出る際は保護者同伴との文言もあり「下校後の行動は保護者が責任を持つべきで、学校が介入することではない」との考えを示す。他に「研究授業以外に三者面談やテスト期間でも4時禁はある」といった情報もあった。

 本紙の記事はインターネット上の複数のニュースサイトでも配信され、ツイッターでは一時「4時禁」がトレンド(話題の言葉)に入った。ヤフーニュースでは校外での過ごし方を学校が決めることに対する意識調査が行われ、回答した約9600人のうち81%が反対し、賛成は16%にとどまっている(25日現在)。

 コメント欄には「ブラック校則だ」といった否定的な意見が並んだが「監視や反省文は余計な仕事なので(学校も)本当はしたくないはず」「家庭や地域で解決すべきことも学校に任せっ放し。先生のなり手が減ってしまう」と、長時間労働が指摘される学校現場に寄り添う声も多かった。

 県教育委員会は4時禁ルールに関し「各学校の判断」とし、取材に回答した自治体の教委も学校ごとの実施状況は把握していなかった。岐阜市の40代女性は「下校後の生徒への対応について統一的なルールを設けることで、校外でのトラブルであっても学校が矢面に立っている現状を変えられるのでは」と意見を寄せた。

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