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米粒、麺類も簡単に...丈夫でしなやか、カーボン製の箸 中津川市の鈴木工業開発



カーボン製品の魅力をPRする新商品「一粒HASHI」
カーボン製品の魅力をPRする新商品「一粒HASHI」

 機械金属メーカーの鈴木工業(岐阜県中津川市駒場)は研究開発を進める炭素繊維強化プラスチック(CFRP、カーボン)の特徴を体験してもらおうと、日常生活で使えるCFRP製品の開発を加速させている。今月には新ブランドを立ち上げ、丈夫でしなやかなカーボン製の箸「一粒HASHI」を発表し、クラウドファンディング(CF)「Makuake(マクアケ)」で先行販売を始めた。

 頑丈な箸がほしい-。年に数回、箸を折ってしまうという社員の声があり、昨年秋に軽量で強度が高いカーボンを素材に箸を試作した。試作品を使った社員の間で評判になり、カーボン製の箸の開発に着手した。

 たどり着いたのが先端が1・7ミリ角の箸。テストでは繰り返し使っても箸先は削れず、操作性に変化もなかった。頑丈で適度な弾性があり、米粒も簡単につかめて、麺類が食べやすいのが魅力という。企画開発室の可知由紀さんは「一度使ってみると、木製やプラスチック製の箸には戻れない」とPRする。

 箸の長さと持ち手の太さが違う2種類を商品化し、10日からCFで先行販売を始めた。同室の堀尾里佳さんは「予想外に売れているので驚いている」と笑顔を見せる。来年からは1膳7700円で一般販売をスタートする予定だ。

 同社は1938年創業で、住宅用の基礎工事に使われる鋼製型枠やOA機器部品などの金属加工を得意とする。2014年に同室を立ち上げ、自動車や航空機の部品に使われるカーボンに注目した。カーボンの熱伝導の良さを生かし、アイスクリーム専用のスプーンを15年に商品化し、シリーズ展開してきた。今月発表した新ブランド「カーボンパフォーマンスラボ」では暮らしを豊かにするカーボン製品の提案を強化していく。堀尾さんは「工業製品を手掛ける会社は一般には認知されにくい。スプーンや箸などを通じて会社の認知度が高まるといい」と願う。

 今ではカーボンの素材開発も手掛ける同社。電機メーカーや大学と研究開発を行っており、工業製品への技術活用を目指す。同室長の多賀雅彦さんは「今はカーボン製品の開発過程で生まれたものを商品化しているだけで、目指すところは別にある。将来的には工業製品に使える部品を手掛けていきたい」と話す。

カテゴリ: くらし・文化 経済