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NIE アドバイザー通信

ふるさと山県市を考える 「Withコロナ」を切り口に

記事で学び、市の課題に具体案



  • 「キャリアナビ2020」で子育て支援課職員に提案する生徒たち=山県市高富、高富中学校 
  • 新聞を使って学ぶ技術科教員のWithコロナ教科学習会=同 

山県市立高富中教頭 奥田宣子

 10月30日、山県市立高富中学校は「ふるさと山県市を考える」をテーマに、職業講話「キャリアナビ2020」を実施した。例年は多くの職種の方々から講話を聞く機会だったが、本年度は同市役所の企画財政課、子育て支援課、福祉課、まちづくり企業支援課などの13人を講師に招き、現状と今後について議論した。生徒は、山県市の魅力を再確認するとともに課題を見出しながら、行政への願いを積極的に提案した。

 生徒たちは、当日までにインターネットや新聞などを用いて山県市に関する情報を収集。その上で「美しい自然をもっと多くの人に知ってもらうために自分たちができることは、身近な環境を美しくするボランティアだ」「『子ども110番の家』の位置が確認できるマップをパズル形式にしては」「高齢者の交通事故を減らすため交通安全教室を定期的に開いたら」「高齢者が医療機関とリモートでつながって多くの人とコミュニケーションを図れば元気になるし、健康状態も分かって家族は安心できるのでは」と、具体案を示した。
 提言の土台には、9月に実施した「Withコロナ教科学習会」で学んだ知識があった。学習会では「新しい日常」に焦点を当て、生徒がWithコロナの社会を生き抜くためにどんな力が必要か、教員が専門教科を切り口に考えた。
 学習会の資料として新聞を活用。国語科は、「正しい情報を読み解く力」が、記事を読むことで身に付くとし、見出し、リード文、紙面の構成を取り上げた。社会科は、記事そのものを活用。特別定額給付金の記事をもとに山県市のプレミアム付商品券「エール商品券」発行の流れを学び、「社会的な動きを知る力」を養った。また、コロナの不安による誹謗(ひぼう)中傷の記事からは、いじめや差別をしないために、確かな情報に基づく行動の必要性を伝えた。
 新聞部の2年生、関口春琉さんは「医療現場のリモート診察」「タクシーの配達業務」の記事を通して、「コロナ禍では、今まであった仕事を、実施可能なかたちに変える」という考え方を持った。この考え方は多くの生徒にも根付いた。
 生徒会執行部は、やりたいことをコロナ禍でもできるかたちに変えるため、知恵を出し合った。その結果、かたちを変えても仲間との絆が深まる体育祭を実現した。さらに今、合唱祭に向けて動き出している。生徒たちには「新しい日常」を取り入れながら、やりたいことを実現させる発想力がある。頼もしさを感じるとともに今後の活動に期待が高まっている。