「ほぼ全てのことに政治が絡んでいる。このままではまずいと思う人はぜひ興味を持ってほしい」と呼びかける大阪府泉南市長の山本優真氏=同市役所

 若い世代の政治離れが叫ばれる中、若くして政治に興味を持ち、「初の平成生まれの市長」として6万人都市のかじ取りに奮闘する岐阜県出身者がいる。5月に大阪府泉南市長に就いた、本巣市出身の山本優真氏(31)だ。23歳から政治の道に入り、国会議員秘書や泉南市議を経験してきた。政治について「ややこしいと思う人がいるのも確か」としつつ、若者に対し「ほぼ全てのことに政治が絡んでいる」と関心を向けるように呼びかける。

 政治に興味を持ち始めたのは高校生の頃。地元のイベントが縮小傾向だったことや、樽見鉄道の存廃論議を機に、地域活性化に関心を持った。大学のサークル活動で海外の貧困問題に触れ、「根源は政治にある」と確信、政治家を志した。

 若者の政治離れが叫ばれるが、「ひとくくりにはできない」と否定する。政治家になると、政治に興味がないと思っていた知人が質問してくるようになった。4月の泉南市長選では年代に関係なく有権者のまなざしを感じた。「コロナ禍で学費などさまざまな問題に直面する若い人も増え、政治に興味を持つ人が増えたのでは」と実感する。

 ただ、政治には特有の難しさもある。複雑な政局の中での揚げ足取りや、交流サイト(SNS)での発言に過剰に反応があることも。「思うことがあっても発言の影響を考えると、ややこしくなる、それは面倒くさいから、と控えてしまう人もいる」と声が上げづらい面があることを指摘する。

 高齢者向けの政策が多いことを、政治に興味が持てない理由にする若者もいる。「人口構造上、高齢者に比重が置かれやすい部分もあるが、若い世代のこともちゃんと見ている」とし、自身は教育や子育て支援にスポットを当てた市政運営を心がけていることを強調。「ただ、投票行動につながるほどには、若者が欲しがっている答えを出せてはいないのだろう」と、政治家側の努力不足も認める。

 若者が政治に興味を持ち、主体的に政治参加するにはどうしたらいいか-。一つに、建設的な話ができる風土づくりを挙げる。

 「今後、人口動態が変わり、各自治体の置かれる状況も変わっていく」とした上で、身近な学校や公共施設の統廃合を例に挙げる。「課題に直面した時には、政治家は怖がらずに情報を発信すべき。住民は知り、わが事として捉え、みんなで解決していこうという機運が醸成される。そんな流れが必要」とアドバイス。特に「自分と違う考えの人の話を許容してほしい。否定せず、そんな考え方もあるんだと受け止めることが大事」と、多様な意見を認め合う対話の必要性を語る。

 「ほぼ全てのことに政治が絡む。日本の構造や地域を変えたいと思っても、政治を語れないと何も変えられない」と主張。「どんなきっかけでもいい。何となくでも、このままではまずいと思う人は、ぜひ興味を持ってほしい」と、政治に目を向けることを促した。

 山本優真(やまもと・ゆうま)氏 1990年8月、本巣市生まれ。本巣松陽高校、立命館大政策科学部を卒業後、ヘア化粧品会社に就職。衆院議員秘書を経て、2016年の大阪府泉南市議選で初当選。2期目途中に辞職し、今年4月の泉南市長選で新人同士の一騎打ちを制して初当選した。現職市長では全国最年少。