岐阜県美濃市と郡上市の境にあり、標高は1163メートル。東海北陸自動車道のパーキングエリアがあるので、読める人は多いかもしれません。古くから信仰の対象とされており、由来は妖鬼退治の伝説にあります。

 かつてこの山に妖鬼が住み、五穀を枯らすなど再三にわたって人々を悩ませました。朝廷がつかわした藤原高光は、虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)の導きで山頂に登り、怪鳥に変じて退治。再び妖鬼が現れるのを防ぐため、山麓に高賀神社や星宮神社など六つの社をまつった、との伝説です。こういった背景から「福部ケ岳」と名付けられたとされています。

 文書で「瓢」の字が使われたのは1881(明治14)年が初めてで、これにも伝承があるようですが、旧美並村の村史では「瓢にまつわる説話は、語りつかれる間にふくべの音から瓢へと変化していったものであろう」としています。

(『角川日本地名大辞典』などを参照)

【答え】ふくべがたけ