従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2022年10月25日掲載

株式会社 山本急行(恵那市)
運送業

市体育連盟の健康増進事業を活用、社内で運動できる環境も整備

 本業の運送業に加えて、トラックの車体に写真やイラストをプリントする事業も行う山本急行。不規則な勤務形態になりがちな運転手の健康管理に配慮するために、健康経営に着手している。

 恵那市体育連盟が各企業の健康増進を支援するために展開している「まきがねde社員も会社も健康増進!事業」を活用。約40台のトレーニングマシンが設置された、まきがね公園体育館健康体力センター(トレーニングジム)の利用回数券を会社が購入しており、従業員は無料で利用できる。

 会社敷地内にも運動ができる場所を確保。倉庫上のプレハブ小屋には、エアロバイクやダンベル、腹筋用ローラー、ストレッチ器具などがそろう。また、同じ場所に高濃度の酸素空間にいることで疲労回復を促す「酸素ボックス」が設置されており、従業員は自由に使うことができる。

 健康診断では、再検査となった従業員の受診日を会社側が日程を調整して予約するなどしている。コロナ禍前は月に1回「山急食堂」と称して食事を提供する日を設けるなど、食事面でのケアも行っていた。山本英史社長は「押し付けすぎないようにしながら食事面でのサポートをしたい」と今後の展望を描く。従業員の家族が参加できるイベントの開催も考えており、コミュニケーションを深める場の提供にも意欲的だ。「働きやすさを感じられるすごしやすい環境をもっとつくっていきたい」と言葉に力を込め、従業員の協力を得ながら職場環境の改善に取り組んでいく。

【会社概要】
■本社/恵那市長島町永田307-139 ■設立/1990(平成2)年4月10日 ■代表者/代表取締役 山本 英史 ■従業員数/33人(男性31人、女性2人)

 

中央紙運輸株式会社(中津川市)
運送業/石油製品・製紙原料販売

地元のリレーマラソンに参加、社員旅行で交流を深める

 主要事業の運送業の他に、ガソリンスタンドの運営や製紙原料の販売も手掛ける中央紙運輸。勤務形態が不規則になりがちなトラック運転手の健康に配慮し、健康経営に力を入れるようになった。社内での喫煙を禁止し、屋外に新たに禁煙室を設けたことで、喫煙者を10%減らすことができた。また、会社の自動販売機で、特定保健用食品(トクホ)の飲料を購入できる。

 社内LANを活用することで各従業員のスケジュールを把握し、健康に関する情報を月に1回発信。健康診断で再検査と診断された従業員に対しては、受診を促すよう呼びかけている。

 従業員に運動の機会を提供するために、社内のゴルフ大会を行ったり、地元中津川で開催される「中津川リレーマラソン」にチームを結成して参加。リレーマラソンに向けて、就業後などに一緒に練習することもあるという。また、従業員同士の交流を深めるために、コロナ禍前はよく行っていた社員旅行を、各グループに分けるなど感染対策をしっかりと行ったうえで再開する予定だ。

 管理部長の愛知大介取締役は「従業員の健康がまず大切。一朝一夕ではいかないが、一番の課題として継続的に取り組みたい」と意欲を示す。今後の展望として、従業員の運動不足対策や、メンタルヘルスのケアにより一層力を入れていく。また、健康に関するアンケートを取って結果をフィードバックすることや、社員同士のコミュニケーションの活性化にも積極的に取り組む。

【会社概要】
​■本社/中津川市千旦林224-1 ■設立/1964(昭和39)年12月10日 ■代表者/代表取締役社長 齊藤 隆 ■従業員数/94人(男性78人、女性16人)

 


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