従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2022年11月2日掲載

株式会社 坂井製作所(各務原市)
製造業

アプリ活用でウォーキング促す、社員同士楽しみながら健康を意識

 金属部品加工の坂井製作所は、水栓金具や住宅関連機器を60年以上にわたって製造。また、女性社員で構成された「SDGs健康チーム」を中心に、健康経営に力を入れている。会社が高台にある立地条件を生かし、昼休みに会社の周りを1周するなどして社員にウォーキングを促す。

 スマートフォンのアプリを活用し、1カ月間の歩数を競い合う企業対抗型ウォーキングイベント「スマホde東海道五十三次ウォークラリー」にチームを結成して参加。健康経営を主導する管理課の竹山升子さんは「社員同士で歩いた歩数を競い合う楽しさがある」と言う。ウォーキングを話題にして社員間の会話が生まれ、ウォークラリーに参加している社員から歩数を報告されるなどの効果が見受けられ、藤田斉社長は「社員同士の関係性を深める場が増えた」と実感している。

 「水分を取ろう」(8月)、「夏のつかれにさようなら」(9月)、など毎月テーマを決め、健康に関する情報を社内の食堂の掲示板で発信。10月は秋バテをテーマとした情報を伝えている。ランチをしながら話し合うなど、仕事以外のことを話す場を設けることも重視する。

 藤田社長は「一つだけでなくさまざまなことをひもづけていくことが大事」と語る。SDGs健康チームの他にも、女性社員を中心とした計5チームが社内の活性化に貢献。竹山さんは「多くの人を引き込み、輪を広げたい」と目を輝かせ、1人1人が仕事をしやすい環境を整えていく。

【会社概要】
■本社/各務原市テクノプラザ2‐21 ■創業/1952(昭和27)年2月 ■設立1960(昭和35)年 ■代表者/代表取締役社長 藤田 斉 ■従業員数/38人(男性16人、女性22人)

 

羽島顆粒工業株式会社(羽島市)
食品加工

健康に配慮した弁当を無料で支給、社員の気持ちに寄り添う職場を築く

 全国でも数少ない顆粒(かりゅう)の食品加工を手掛ける羽島顆粒工業。業務上、健康への意識が高く、社員の福利厚生として健康経営にも精力的に取り組んでいる。

 就業前に個別でラジオ体操をしたり、デスクワークでは会社が支給したバランスボールを利用する社員がおり、個人で床マットや腹筋ローラーなどを持ち込んで軽い運動をする姿も見受けられるという。今後は、ぶら下がり棒やマッサージチェアのあるリラックスルームを設けることも検討している。

 食事面では、昼食時に希望する社員に健康に配慮した弁当を無料で支給。県が推奨する料理レシピが社内に掲示してある。また、会社側から健康に関する情報を毎月提供している。喫煙対策では段階を踏みながら禁煙化を図り、喫煙者を大幅に減らすことに成功。現在は社内にあった喫煙ルームを廃止し、屋外を含め全面禁煙にした。

 コロナ禍前は、社員同士が交流を深めるために慰安旅行や懇親会を行っていた。女子社員同士で休日に集まり、軽食を楽しむこともあったという。「社員の様子をしっかり見ることを大切にしている」と語る尾関恵子取締役。「社員全員が集まってコミュニケーションを取れる場をまたつくりたい」とコロナ禍の収束を願う。

 相談時には相手が言いたいことを言えることを心がけるという尾関取締役。「良い企業だと周囲から思われる会社でありたい」と力を込める。これからも健康への意識を高め、社員の気持ちに寄り添った職場を築いていく。

【会社概要】
■本社/羽島市桑原町東方648 ■設立/1965(昭和40)年9月9日 ■代表者/代表取締役社長 森 正智 ■従業員数/27人(男性14人、女性13人)

 


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