共同アトリエ「Pomino」を立ち上げた美術家たち=岐阜市美殿町、Pomino
アトリエ立ち上げに向け、5人が自ら塗装をした=10月

 岐阜市中心部で魅力あるまちづくりを展開している美殿町商店街の一角に11月、共同アトリエ「Pomino(ポミノ)」が誕生した。岐阜地域の新進気鋭の美術家5人が立ち上げた。創作の場として人が行き来する商店街をあえて選び、美術家としてまちづくりへの参画も模索する。手作りの白い空間をキャンバスに、「アトリエを文化の発信源にして、アートで街を元気にしたい」との思いを描く。

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 5人は工藤千紘さん(32)、早川文彩さん(28)、市川あずささん(28)、加藤誉使子さん(56)=いずれも岐阜市=、片岡美保香さん(29)=山県市=。

 アトリエ開設の中心となったのは、青森県出身の工藤さん。名古屋市を拠点に活動していたが、自然豊かな岐阜で創作をしたいと、市内で空き部屋を探した。

 約1年が経過した頃に建築設計事務所「ミユキデザイン」(岐阜市美殿町)から紹介されたのは、店舗の倉庫だった218平方メートルの3階、1フロアだった。共同で使えば賃料を抑えられる上、「ここでなら良い作品ができる」と確信、即決した。出身大学や画廊、知人などを通して、同じようにアトリエを探していた人たちが集まった。

 アトリエ名「ポミノ」は、五つの正方形をつなげた形でつくるパズル「ペントミノ」から着想。頭文字の「P」はペインター、フォトグラファー、パフォーマーなどの頭文字でもあり、さまざまなジャンルの美術家がパズルのようにつながる、という意味を込めた。

 5人は「人の気配を感じながら描ける。足りないところは補い、いいところは共有できる」と共同アトリエの利点を話す。そして、「5人が同じ空間で創作をする意義や、美殿町で創作をする意義を考えながら、楽しいことをしていきたい」と口をそろえる。今後志のある美術家たちが制作場所に困らないよう、このアトリエを残し続けたいという。

 美殿町商店街は、古本市やワークショップなど、近年は文化が薫る多彩なイベントを開催したり、おしゃれな飲食店が続々と出店したりして、隣接する柳ケ瀬商店街とは異なる魅力を発信している。

 ミユキデザイン取締役の大前貴裕さん(46)は「アトリエが単なる作業場ではなく、人が行き来できるようになれば面白いことが起こる可能性を秘めている」と今後の展開に期待。工藤さんは「オープンアトリエを催すなどして、まちづくりに貢献したい」と意欲を語る。 

 5人は、アトリエ整備や創作の継続に向けた費用をまかなうため、クラウドファンディングを始めた。返礼品に美術作品などを用意している。目標額は200万円としていたが、4日時点で約360万円が集まっている。詳しくは、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」内で検索。