初公開されたギリンスキー家所蔵の杉原ビザ=23日午前、名古屋市中村区、ジェイアール名古屋タカシマヤ

 第2次世界大戦中に「命のビザ」で多くのユダヤ人を救った岐阜県加茂郡八百津町出身の外交官杉原千畝(ちうね)氏の功績を伝える「杉原千畝展~命のビザに刻まれた想(おも)い~」が23日、名古屋市中村区名駅のジェイアール名古屋タカシマヤで始まった。初公開の杉原ビザを含む約150点の史料を通し、人間愛あふれる足跡を振り返っている。1月9日まで。

 名古屋は尋常小2年から愛知県立第五中学(現瑞陵高校)を卒業するまで約10年間を過ごしたゆかりの地。今年8月の東京・日本橋店、同9月の京都店に続き、NPO法人「杉原千畝命のビザ」などが主催した。

 会場には、「苦慮、煩悶(はんもん)の揚(げ)句、私はついに人道博愛精神第一という結論を得た」と発給時の心情を記した手記や2千人超の氏名が載るビザリストの写し、発給の舞台のリトアニアでの家族写真などが並ぶ。古渡尋常小学校(現在の名古屋市立平和小)当時の通信簿も初めて展示した。

 ポーランドから逃れ、杉原ビザを得て氷川丸で米国に渡ったビクター・ギリンスキーさんは同展に初めてビザを提供。オンラインで開幕式にも参加し、「ご恩を一生忘れることはない」と感謝の言葉を述べた。

 テープカットした杉原氏の孫まどかさん=東京都在住=は取材に「祖父は『いつも人の役に立ちたい』と言う優しい人だった。難民問題などの解決のため、展示を通して何かを感じ取ってほしい」と話した。