夏休みが始まり、川で遊んだりバーベキューをしたりすることが増えるこの季節、川で起こる水難事故が増えている。岐阜県内でも昨年43件の事故が発生し、13人が死亡した。川で遊ぶ際、気をつけるべきことは? そもそもどこが安全なの? 川に行く前に知っておきたいことを岐阜県の河川課に聞いた。

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事故の多い千鳥橋付近=岐阜市長良古津、千鳥橋付近

「川に入らないことが一番」

 県の河川課によると、そもそも川が危険な場所であることが知られていないという。川は地上から見ると流れの速さや深さが分かりにくい。川の中心に行くほど深くなる場合が多いので、足がつかなくなり溺れたり、流されたりしてしまう。他にも地上から見えない岩もあり、「隠岩(かくれいわ)」と呼ばれる。隠岩につまずいて転んでけがをする場合もある。他にもカーブがきつい場所(ヘアピンカーブ)は流れが速い。「川では安全は一切保証されていない。それを理解しないで遊ぶと事故につながる。川に入らないことが正直一番ですが…」と同課の担当者。

 同課によると、10~20代が水遊び中、高齢者が釣りの最中に事故に遭っている傾向があるという。とはいえ、夏の楽しみでもある川遊び。対策はないのだろうか。

ライフジャケットを必ず着用

 「川に入る際はライフジャケットを必ず着用してほしい」と同課の担当者は訴える。浅いところで遊ぶ際も必ず着用する必要がある。そもそも深いところで遊ぶことが危険。深い上に流れも速くなる。あくまで浅いところで遊ぶことを前提に、流されてしまったときのため着用する。他にも、滑りにくい靴やヘルメットも合わせて着用することを勧めている。どんな活動をするかによって装備を考える必要がある。

水難救助訓練で連携を確認する署員ら=美濃市前野、長良川

子どもの手は離さない

 もしも流されてしまったら、あおむけになって呼吸を確保する。下流に足を向け無理に動かない。小さな子どもと川遊びをする際は、手をつなぎ離れないようにすることが重要だ。「目を離さない、では助けられない。見ているだけでは意味がない。手をつなぐなど、しっかり流されないようにしてほしい」と同課の担当者は話す。もし仲間が流されてしまったら、すぐに119番通報する。

事故が多く発生している鮎之瀬橋の付近=関市池尻

「川は危険な場所」を忘れずに

 「近年はSNS(交流サイト)などでも魅力的に川の紹介がされることがあるが、偏った情報だけで判断しないでほしい」(同課の担当者)。川には遊泳禁止の場所はない。それは、安全な場所がないことを意味している。消防の救助隊など、訓練している人でさえ、一歩間違えば危険にさらされてしまうような場所なのだ。あくまで危険な場所であることを忘れず、まずは事故を防ぐことが大切だ。

 近年アウトドアブームやキャンプブームで多くの人が楽しんでいる。同課の担当者は「ただ楽しむだけではなく、川や自然を学ぶ機会にしてもらいたい」と話した。