2013年5月19日、全国小学生倉敷王将戦岐阜県大会。息子の明浩は、前年優勝した6年生の子に勝ち、初めて、全国大会の切符を手にしました。将棋を始めてちょうど2年たった頃でした。

 私は教室の授業があったため、岡山県倉敷市での全国大会へは、息子と妻が行きました。アマ四段の繁田浩一さんが、お薦めのお店を案内してくれて、楽しく過ごしたそうです。全国大会では3連勝し、ベスト8入りを果たします。

 このとき、私たち夫婦と共に、息子の活躍を喜んでくれたのが、当時、息子が通っていた各務原市立陵南小学校の先生方でした。

 息子は、3年生の夏休み以降、将棋大会でよく入賞しました。ただ、3、4年生のときは、息子が入賞を担任の先生に報告しても、「学校とは関係ない。一人だけ褒めると良くないから」と言われ、それ以降、学校に報告することはなくなりました。

各務原市長との記念対局に駆け付けた駒形克也先生(左)らと記念撮影する高田明浩さん(中央)=2014年7月12日、各務原市鵜沼西町の中山道鵜沼宿脇本陣

 でも、息子が5年生になり、担任の先生や校長先生が代わると、状況が一変します。校長の駒形克也先生は、学校とは関係ないことでも、活躍している子を朝礼で紹介されました。

 息子は、大会で入賞するたび、喜んで学校に賞状を持って行くようになります。クラスの黒板や校長室には、息子の記事が掲示され、息子はいっそう、楽しく将棋をするようになります。

 その後、息子の全国大会ベスト8入りを記念して、各務原市で社会福祉協議会の土屋直樹さんが、プロ棋士の杉本昌隆先生との対局イベントを企画されました。翌年は、全国小学生準名人となり、同門の兄弟子である増田裕司先生や各務原市長との記念対局が開かれます。

 陵南小学校の先生方は、そういったイベントにも、息子の応援に来てくれました。当時の先生方は、その後も、息子の記事を見て応援してくれています。卒業してからも、先生が、息子にお手紙をくれたり、家に激励に来られたりしたこともありました。県庁将棋部でプロ入りのあいさつをしたときも、当時の先生が来られました。

 自分が頑張っていることを周りの人に褒めてもらえることは、とてもうれしいことです。

 息子が5年生のとき、アマ二段からアマ五段へと、驚異的なレベルアップを果たし、秋に、JT杯子どもシリーズ東海大会で優勝するなど、目覚ましい活躍ができた要因の一つに、先生方の応援があったのではと、私は感じています。

(「文聞分」主宰・高田浩史)