鼠石

 岐阜県高山市上宝町、高原川中流域の山間地です。由来とされる説が複数あります。

 「角川日本地名大辞典」はネズミモチの木と説いています。「ネズミモチ」がつづまって「ネズモチ」ということでしょうか。上宝村史は、ネズコ(鼠子)とも呼ばれる常緑樹・黒桧(くろべ)だとして「草創の頃ネズコがその場所に繁茂していた」としています。両説とも樹木をベースとしています。

 一方、当地に残る二つの伝承も説のようです。「ネズミの精が宿った石を寺に移したら地域の死者が増え、現在の場所に戻したらなくなった」というものと、「鏡餅をたびたび盗んだネズミを神様が石にしてしまった」というもの。1962年発行の「飛驒の史話と伝説」は、二つ目の伝承を鼠餅の由来だとしています。実際に上宝町には、現在もネズミの模様が白く浮かび上がった「鼠(ねずみ)石」=写真=があります。

【答え】ねずもち