岐阜県可児市東部にあります。71~130年に在位したとされる12代景行天皇が美濃地方を訪れた際、仮の御殿「泳宮(くくりのみや)」に滞在した地とされています。現在の地名「可児市久々利」の由来とみられています。

 そもそも「泳」は音読みで「エイ」、訓読みで「およ・ぐ」です。なぜ「くくり」なのでしょうか。

 そもそも「くく」や「くぐ」は「くぐもる」の意味があるとされており、当地のような山あいの地を指すことがあるそうです。そして、景行天皇は泳宮の池でコイを泳がせ、女性の気を引こうとしたとされています。これらが関係しているのかもしれません。

 景行天皇の伝承は古事記や日本書紀にあるほか、万葉集にも歌われています。可児市史は泳宮を巡る重厚な論考を紹介しており、地域でこの伝承が大切にされていることをうかがい知ることができます。

 (「可児市史第二巻」などを参照)

【答え】くくり