職員3人は指導員資格を取得 特別養護老人ホーム燦燦(岐阜市)

 看護師や理学療法士などは、国家資格を取ってからしかその仕事を始めることはできませんが、介護職員は資格がなくても始めることができ、働きながら国家資格の介護福祉士を目指すことは可能です。

 ただ、働きながら資格を目指すには3年以上の実務経験に加え、介護福祉士実務者研修という原則450時間以上の研修を受ける必要があるため、簡単なことではありません。多くの方は、シフト等を調整しながら、通信講座と外部の専門学校等への通学を組み合わせて受講しています。

燦燦では2023年度、施設内で介護福祉士実務者研修を開始。ベテラン職員が指導者ライセンスを取得したため、次からは全てを施設内だけで完結させることができる

 そこで岐阜市の特別養護老人ホーム燦燦は2023年度、株式会社推進協の介護大学校の分校になり、施設内で実務者研修を受けられるようにしました。初年度は職員4人が、春から夏にかけて通信授業を、8、9月には外部講師による対面授業を8日間受け、無事に研修を修了させることができました。またベテラン職員3人が、専用カリキュラムの受講や対面授業の見学を経て実習指導者のライセンスを取得したため、次年度以降は講師を派遣されることなく、より柔軟に対面授業が行えるようになりました。

 燦燦の松成健太副施設長は「これまでは個別の事情に合わせて条件に合う実務者研修を探し、遠方の学校に通うことも珍しくありませんでした。分校になり、さらには指導も自分たちでできるようになったので、研修を受ける職員にとって負担が減ったのではと感じています。介護福祉士に挑戦したいという職員を今後も積極的に応援していきたい」と話しています。