いよいよ学校の夏休みが始まります。旅行に夏祭り、子どもたちが胸を高鳴らせる一方で、長い休みをどう過ごさせるかに頭を悩ませる保護者も多いのではないでしょうか。

 3人の小学生を育てる筆者もその一人。というのも、近年は提出必須の宿題が減る傾向にあり、時間の使い方の自由度が高まっているのです。夏休みにしかできない経験を存分にさせてあげたいけれど、共働きで子どもと毎日じっくり向き合うことは難しい。放っておけば、貴重な時間をだらだらと過ごすことにもなりかねない。そんな悩みを解消する糸口を探ってみました。

■自由研究や読書感想文は任意

 保護者世代の皆さんは、夏休みもやることがたくさんあって、終盤には宿題に追われたという記憶がありませんか。

 40代半ばの筆者で言えば、朝はラジオ体操、日中は学校のプール開放へ出かけ、宿題も自由研究に読書感想文、そして問題集のような「夏の友」と、それなりに忙しく過ごしたような気がします。

カラフルな表紙が目を引く2024年度版の夏の友

 しかし、近年はさまざまな事情から、ラジオ体操やプール開放を行う地域や学校が少なくなりました。

 宿題も、自由研究や読書感想文の提出は任意とする学校がほとんど。岐阜県の小学生の定番である「夏の友」(県校長会館発行)は、依然として9割前後の公立小学校が採用していますが、中には希望者のみが購入するという学校も出てきているようです。

■夏の友は「提案型ガイドブック」

 このような流れの下、小学生が夏休みに「やらなければならない」ことが減り、時間の使い方の自由度は増しています。

 岐阜県小中学長会で夏の友編集委員長を務める永井浩司日野小学校長は保護者に呼びかけます。...