明治神宮野球大会は20日、東京都の神宮球場で開幕。高校の部1回戦第2試合で、14年ぶり3度目出場の東海代表・大垣日大が東海大札幌(北海道)に0―3で敗れた。
同大会優勝校に与えられる来春の選抜での明治神宮枠を逸し、地域性の点から岐阜第一の選抜出場は厳しくなった。だが、選抜当確の大垣日大は、七回からリリーフした1年生左腕の谷之口翔琉が完全復活し、全国の舞台で輝きを放った。
さらに岐阜県私立大会から背番号1を背負う2年生右腕の中野翔真も立ち上がりに3失点したものの、二回以降は持ち味を発揮して無失点。高橋正明監督も「ディフェンスに関してはいつも通りにできた」とたたえ、選抜に向けての確かな手応えをつかんだ。
▽1回戦
大垣日大 000000000=0
東海大札幌30000000×=3
(大)中野、谷之口―西河
(東)矢吹、高橋、砂田―鈴木
▽三塁打 太田馬(東)▽二塁打 大橋(大)
◆スーパー1年谷之口、完全復活の全国デビュー
大垣日大の若き〝元エース〟復活の舞台は、全国のチャンピオンが集う神宮球場で訪れた。
七回裏、レフトの守備からマウンドに上がると、いきなり本来のコーナーいっぱいを厳しく突く切れ抜群のストレートがさく裂。三振で立ち上がると自慢の鋭く変化する縦カーブもさえ渡り、2回を4三振無失点。
「低めに集めることができた。神宮のマウンドは楽しかった」と笑顔で完全復活をアピールした。
谷之口は、2009年神宮V投手の葛西侑也さん以来となる大垣日大1年生での背番号1を託され、秋季県大会、27回2/3無失点で、9年ぶりの秋の県覇者に導くと、東海大会初戦の準々決勝・中京大中京(愛知)では初回に2失点しながら二回以降はわずか1安打でタイブレークでの勝利に貢献した。
ところが県勢対決となった準決勝の岐阜第一戦で5失点し、三回途中で降板。その後の岐阜県私立高校親善大会では、九回無死一塁から登板し、ワンアウトも取れないまま9者連続得点を許した。
◆絶不調からフォーム修正で復活
かつて経験したことのない絶不調。谷之口自身は「自分の悪いくせである体が開き、球が浮いた。私立大会では体が開いているのが自分の目でも見てわかるくらいで、全く修正できなかった」と振り返る。
復活の鍵は投球フォームの修正。上半身と下半身をうまく連動させることを意識し、開かないように徹底した。
復活への序章は私立大会翌週17日の花園(京都)との練習試合。...