-昨年を振り返って。
陽子線がん治療センターが昨年4月から稼働しました。半年で100例の臨床を行い1年間で200例の目標をクリアできる状況で、よいスタートが切れました。日本で最新鋭ということが全国に伝わり、東海3県以外からも患者さんが来ています。患者さんは、自分や家族ががんになった時、何がよいのか自ら勉強しています。医者や病院任せではなく、よい進歩だと思います。
昨年10月に上海市第四人民病院と「衛生および医学科学に関する協力覚書」を締結しました。医療面での提携や医師の学術的交流に加え、陽子線がん治療も必要であれば行う内容です。海外には日本で治療をしたいと考える人がおり、今後は中国からの患者さんも増えると思われます。
-都市と地方の医療格差解消に努めてみえます。
岐阜県の医療が大都市圏より劣っていては、都市に住んだ方がよくなり、人口減少が進みます。最高の医療を受けられる安心安全が定住につながります。新しい医療機器を入れるのは、都市に行かなくても岐阜県ですべて賄うためです。社会医療法人は民間病院ではなく半官半民である以上、利益は新しい機器に投資して岐阜県の医療レベルを上げることが本来の目的です。
-新年の抱負をお願いします。
ふるえ・パーキンソン病外来が昨年10月に開設され、MRI(磁気共鳴画像法)を併用し頭に穴を開ける必要がない集束超音波治療(FUS)も昨年12月に開始しました。公的医療保険も適用されます。従来からの治療法である頭に穴を開ける脳深部刺激術(DBS)もあります。専門センターがあるからこそ対応でき、日本で両方できるのは4カ所のみです。ふるえは日常生活に支障があり、何とかしたいという人は全国にいます。今年はパーキンソン病などのふるえも集中的に治療し、悩む人を助けていきます。
