―昨年を振り返って。
生協や自動販売機、量販店などで売り上げが堅調に推移し、上半期の売上高が過去最高を更新しました。一部商品の価格改定にご理解をいただき感謝いたします。
一方で収益面では、原料やエネルギー価格の高止まりが影響する見通しです。世界的な原料高・原料不足で冬季限定のチョコレート2製品の安定供給が見込めず、休止を決断しました。主力製品の売り上げ減をカバーすべく、新製品を投入していきます。
―開発が進む新製品について。
コモのパンは、イタリア・コモ湖周辺で受け継がれてきた伝統的なパン酵母・パネトーネ種の元種製法により、保存料を使わずに60日の長期保存パンを実現しています。この特長を生かしながら、サクッとした食感をもつ「パイシリーズ」を復活・リニューアルし、1月中旬から販売する予定です。今後も市場トレンドに柔軟に対応できる商品企画を進めていきます。
―販路拡大の新たな動きは。
海外では、香港、オーストラリア、ニュージーランドに加え、昨年はシンガポールとアメリカ、カナダで販売を開始しました。国内商社の知見を生かして輸送や為替リスクを軽減しつつ、地道な販路拡大を目指していきます。
―安定生産に向けた見通しは。
同一製品の集中生産といった生産工程の効率化が奏功しています。さらに、現工場の拡張を計画しており、生産量の増強を目指します。マンパワーに依拠しない生産体制を整え、働きやすい環境整備に一層取り組む考えです。
―2025年の展望は。
工場新設の基盤づくりとして、不確定な原料高・原料不足に対応しながら安定的な売り上げ維持に注力していきます。また、甲子園出場校の応援団へパンの提供、ドッジボール大会「コモカップ」主催といった社会貢献を通じて、ファン層の拡大も図っていきます。
