発達障害がある人たちの権利を守り、生きやすい社会を実現するために、各地の当事者団体がネットワークを結成した。名称は「全国発達障害者連絡会議」(略称・発達連)。当事者の意見を集約し、行政、立法への提言や啓発活動を行う。
発達障害は自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などの総称。2005年施行(16年改正)の発達障害者支援法は、相談体制の整備や教育現場での配慮、就労支援、司法手続きにおける意思疎通の手段確保などを規定している。
一方、施行から20年がたち、発達障害という言葉は知られるようになったものの、自治体の地域協議会に当事者が参画するケースは限られ、施策に声が十分反映されていない。
ネットワーク結成には、シンポジウムなどで交流を重ねてきた6団体が参加。NPO法人「DDAC(発達障害をもつ大人の会)」(大阪市)の理事長で、ネットワーク共同代表の広野ゆいさんは「当事者が自らの言葉で社会に訴え、社会を変えていく力を発揮するため、確かな道しるべになりたい」としている。