「全国犯罪被害者の会(あすの会)」代表幹事を務め、2月に95歳で亡くなった弁護士の岡村勲さんのお別れの会が12日、東京都千代田区の「如水会館」で営まれた。20年以上親交があった上川陽子衆院議員は「被害者と家族の権利・利益保護と支援整備拡充のために闘い続けた」と生前の活動を紹介し、参列した約500人が故人をしのんだ。
上川氏は「被害者支援策をもう一段引き上げていかなければならないとの遺志を実現するためにも、しっかりと歩みを続けていく」と述べた。会場内にはゆかりの品やパネルが展示された。
岡村さんは高知県出身。1959年に弁護士登録し、日弁連副会長などを歴任した。山一証券(当時)の代理人を務め、97年、逆恨みした顧客の男に妻=当時(63)=を殺害されて被害者遺族となった。
これをきっかけにあすの会を設立し、2005年に施行された犯罪被害者基本法の成立や、08年に導入された被害者参加制度の実現に取り組んだ。あすの会は18年に解散したが22年に「新あすの会」を立ち上げ、被害者への経済的支援の強化を求めていた。