【テヘラン共同】イランの保守強硬派ライシ前大統領が死亡した昨年5月のヘリコプター事故から1年となるのを前に、首都テヘラン中心部で15日、追悼集会が開かれた。各地から集まった参加者はライシ師の写真を掲げて功績を称賛。「米国を倒せ」などとシュプレヒコールを上げた。
集会には数千人が参加したとみられる。会場では2020年に米軍に殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭、コッズ部隊のソレイマニ司令官の肖像写真も掲げられた。
演説した革命防衛隊トップのサラミ司令官は「国家の意志によってイランは核兵器保有を求めていない」と訴え、米国の対イラン制裁は不当だと非難。黒いチャドル(全身を覆う布)姿の主婦マンスレさん(53)は「米国を信じることはできない」と話し、4月に始まった米イラン両政府による核協議に反対した。
事故は昨年5月19日、イラン北西部の山中で発生。ライシ師やアブドラヒアン前外相らヘリに乗っていた8人全員が死亡した。イラン軍は昨年9月、濃霧が原因でヘリが山に衝突したと結論付けた。