内閣府が16日発表した2025年1〜3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・2%減、年率換算は0・7%減だった。マイナス成長は4四半期ぶり。長引く物価高が家計を圧迫し、食品をはじめとする個人消費が停滞した。半導体関連の装置など機械類を中心に輸入が増加したことがGDPの押し下げ要因となった。
個人消費など内需は依然弱い。日米両政府で交渉中のトランプ政権による高関税政策が是正されなければ、輸出が停滞し、マイナス成長が続く恐れがある。
内需の柱となる個人消費は前期比0・04%増とほぼ横ばい。企業などの設備投資は1・4%増と堅調だった。
増加するとGDP成長率を押し下げる輸入は2・9%増。半導体のほか、IT分野を中心に海外企業への支払いが増加し、航空機関連の購入費も増えた。輸入は国内ではなく海外で生み出された価値に分類されるため、GDP算出時に差し引かれる。一方輸出は0・6%減で、想定された関税政策に伴う自動車などの駆け込み輸出の影響は限定的だった。