【ローマ共同】国連食糧農業機関(FAO)などは16日、紛争や自然災害で深刻な食料不足に陥った人々の数を示す「急性飢餓人口」が、調査対象となった53カ国・地域で2024年に2億9530万人に上ったとの報告書を公表した。6年連続の増加で、紛争が主な要因だとしている。
急性飢餓人口は23年から1300万人以上増加した。報告書は25年について、トランプ米政権の関税引き上げが世界の食料価格の上昇や供給網に混乱をもたらす恐れがあるとし、国際社会に対応を呼びかけた。
国・地域別ではナイジェリアが3180万人で最多。スーダンとコンゴ(旧ザイール)がそれぞれ2560万人で続いた。ウクライナなど15カ国・地域で改善の兆しがあるものの、内戦の影響が深刻なスーダンなど19カ国・地域で悪化したとしている。
イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでは、全人口に当たる約220万人が深刻な食料不足にあると指摘。ピーク時には、そのうち約110万人が最も深刻な「壊滅的な飢餓」の状態にあったとした。