旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.、スマイルアップ)の性加害問題で、同社が被害を訴える元所属タレント大島幸広さん(40)に対し、損害賠償を支払う義務がないことの確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、千葉地裁(斉藤顕裁判長)で開かれた。大島さんは「訴えられて精神的なダメージを負った。(同社は)誠実に話し合うつもりがない」とし、争う姿勢を示した。
被害者救済委員会の調査や補償枠組みに応じない数人の元所属タレントとの補償を早期に確定させるためとして、同社が昨年12月、提訴した訴訟の一環。
大島さんは「故ジャニー喜多川氏からの被害は軽く200回を超えた」と意見陳述。閉廷後、同社の委員会は個々の被害認定に終始しており「補償に応じれば、全容解明がされないままになる」と危機感を訴えた。
訴状などによると、大島さんは不信感から同社の調査に応じず、被害があったとする米国での裁判を検討。同社は国内での手続きを求め、このままでは補償額が示せないとして、やむなく提訴したとしている。