年金制度改革法案の付則には、扶養される主婦らが保険料を払わなくても老後に年金を受け取れる制度の見直しを検討する規定が初めて盛り込まれた。「第3号被保険者」制度と呼ばれ「共働きが増えた時代に合わない」と指摘される。国民年金保険料の納付期間(現行40年間)の延長を検討することも明記。いずれも将来に向けた課題となる。
3号制度は専業主婦が多かった1986年に導入。当時は専業主婦がいる世帯は900万を超え、共働き世帯は700万程度だった。その後共働きが増加し、90年代に逆転。2022年は専業主婦430万世帯、共働き1191万世帯だった。
かねて「専業主婦が優遇されている」との批判は根強く、近年では配偶者の扶養から外れないよう働く時間を抑える一因になっているとして経済同友会や連合などは将来的な廃止を求めている。
ただ社会保障審議会部会では、病気などで働くことが難しい場合の所得保障の役割を果たしているとの声も。賛否両論を踏まえ政府は今回の改正を見送った。