【シドニー共同】スマートフォンによる家族や友人、恋人との居場所共有はオーストラリアの若者世代に浸透しているようだ。シドニーの10代や20代に話を聞いてみると、肯定的に受け止める声が多かった。ただ、中には「交際した男性に監視され、行った先について執拗に問い詰められたことがある」と気疲れを打ち明ける女性もいた。
ファッション店店長のシャズさん(24)は「彼氏と話し合って、位置情報共有アプリを使うことを決めた」と話す。待ち合わせに使う程度だといい、危険性は「全く感じない」と言い切る。
一方、ハイキング用品店勤務のヘイゼルさん(26)は利便性は認めつつ「もろ刃の剣だ」と言う。「最初の彼氏は私の居場所を常にチェックして、恐ろしかった」
テクノロジーがもたらす若者の行動変容に詳しいグリフィス大のマリア・アティエンサルプリエト博士候補生は「若者は位置情報共有アプリを使うことを気遣いや愛情、信頼の証しと見なしがちだ」と分析。恋人の居場所監視を当然視するのは「強制支配の兆候かもしれない」と話した。