【カンヌ共同】開催中の仏カンヌ国際映画祭で、トランプ米大統領が外国製作の映画に100%の関税を課す方針を表明したことへの批判が米国の俳優や監督から続々と上がった。ハリウッド映画であっても外国で製作されるケースは多く、国際化が進む映画業界に戸惑いが広がっている。
「こんなことは受け入れられない」。13日の映画祭開幕式で、「名誉パルムドール」を授与された米俳優ロバート・デニーロさんは「トランプ関税」を舌鋒鋭く批判した。
「トランプ氏は芸術や人文科学、教育への資金援助と支援を削減している」と指摘し「創造性に値段を付けることはできないが、どうやら関税を課すことはできるらしい」と皮肉った。
最高賞「パルムドール」などを競うコンペティション部門には、米映画監督ウェス・アンダーソンさんの新作「フェニキアン・スキーム」が選出されたが、作品の大部分はドイツで撮影された。
アンダーソンさんは19日の記者会見で「100%の関税なんて聞いたことがない。われわれに取り分はあるのだろうか」と不安を吐露した。