福岡市にある「海の中道海浜公園」の花畑で4月下旬、あへん法で栽培が禁止されているアツミゲシが自生しているのが見つかった。厚生労働省によると、5〜6月が開花のピーク。2023年度に全国で除去された違法ケシは約69万本だったが、24年度は約92万本に急増し「見つけたら保健所や警察署に通報してほしい」と呼びかけている。
佐賀大農学部3年の亀井裕介さん(20)が4月29日、水色の花が見頃を迎えたネモフィラ畑で、薄紫色の花を咲かせていたアツミゲシを発見。「こんな所に」と驚いた。
通報を受けた園は数本を確認し、焼却処分した。アツミゲシの種がネモフィラの種か肥料に混入し、自生したとみられる。過去に同様の事例はなかったといい、担当者は「安全管理を徹底していきたい」と話した。
厚労省によると24年度、都道府県別で除去数が最多だったのは香川で約8万5千本。禁止植物が自生していても土地の所有者は摘発されないが、無断で抜き取ると法律違反になる恐れがあり、同省はホームページで禁止植物の見分け方を公開している。