営業開始を控えて整備が進むレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」=飛騨市神岡町東雲、旧奥飛騨温泉口駅

 風を切って旧神岡鉄道の線路上を自転車で走るレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」の今季の営業が19日、岐阜県飛騨市神岡町の市街地を巡る「まちなかコース」で始まる。沿線には例年より多くの雪が残り、ペダルを踏むことで冬から春に移り変わろうとする奥飛騨の風情が体感できる。

 ガッタンゴーは、2006年に廃線になった神岡鉄道の軌道や駅舎などの設備を活用して住民有志が07年に始めた。住民がサイパン島で鉄路を自転車で走ったツアーの体験から考案し、2人が並んで走らせるバイクを開発して廃線軌道を進む環境を整えた。

 施設は市が所有し、運営を市観光協会から11年にNPO法人「神岡・町づくりネットワーク」が引き継ぎ、往復5・8キロの「まちなかコース」に加え、18年に同町漆山辺りの往復6・6キロを走る「渓谷コース」を開設し、これまでに延べで40万人を超える人たちが自転車の旅を楽しんだ。

 「まちなかコース」は同町東雲の旧奥飛騨温泉口駅から高原川沿いを走り、トンネルをくぐりながら市街地を抜け、鉱山の精錬所などを目にしながら旧神岡鉱山前駅で折り返す。駅舎や線路の除雪を懸命に進め、設備の安全を点検し、新型コロナ対策を施した。渓谷コースは4月9日の営業開始予定。

 同ネットワークは住民が主体の地域づくりを行うために02年につくられ、住民が取り組むまちづくりの支援を中心に鉱山の町の歴史や文化の継承、散策道の整備、ガッタンゴーの運営を続けている。今年は20周年記念として旧神岡鉄道のディーゼル車両の乗車会や枕木交換会、納涼祭、記念式典などを予定している。

 同ネットワークの鈴木進悟理事長は「地元の方々との協働で活動を続けることができ、感謝している。ガッタンゴーは、廃線軌道を活用するまちづくりの手法として知られるようになった。今後も地域に活力をもたらす取り組みをしたい」と話した。