広島市安佐南区の県道のループ橋で昨年11月、ダンプカーに衝突された乗用車が転落した事故で、広島地裁は29日、乗用車の3人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた同区、トラック運転手山崎雅彦被告(59)に禁錮3年(求刑禁錮5年)の判決を言い渡した。
弁護側は公判で「一時的な体調不良が原因であった可能性を否定できない」と無罪を主張していた。
桜井真理子裁判官は判決理由で「衝突直前までハンドルを操作できる状態と認められ、体調不良とする合理的疑いはない」と指摘。「速度超過の危険性を軽視しており、過失の悪質性は高い」と断じた。
判決によると、昨年11月12日、制限速度30キロのループ橋でブレーキを的確に操作せず約50〜60キロで走り、対向車線の乗用車に衝突して道路外の階段に転落させ、3人を死傷させた。
運転席の無職川本勝美さん=当時(80)=と助手席の妻美知枝さん=同(76)=が死亡。後部座席の娘(50)が意識障害を伴う脳損傷を負った。