大相撲の宮城野親方(40)=元横綱白鵬、本名白鵬翔、モンゴル出身=が日本相撲協会退職の意向であることが30日、協会関係者の話で分かった。弟子の暴力問題により自らの部屋が閉鎖となり、昨年4月から伊勢ケ浜部屋に所属している。

 関係者によると、1年が過ぎた現在も宮城野部屋の処遇について協会理事会で本格的に議論されておらず、部屋再開の見通しが立たないことが大きな理由とみられる。5月の夏場所中も所属する伊勢ケ浜一門を中心に複数の親方から慰留を受けたが、関係者は「意思は変わらないようだ。退職でほぼ間違いない」と明かした。

 6月2日の臨時理事会で宮城野部屋の取り扱いについて協議される見込み。退職が正式に決まれば、9日に宮城野親方が東京都内で記者会見を開く方向で調整が進められている。

 2021年9月に現役引退した宮城野親方は22年7月に部屋を継承。昨年2月に発覚した元幕内北青鵬の暴力問題で監督責任を問われ、2階級降格などの処分も受けた。

 宮城野親方は優勝45度、通算1187勝など数々の史上1位記録を樹立。現役時代の終盤は独善的な振る舞いや粗暴な取り口で批判を招き、年寄襲名に際しては協会の規則を守ることや逸脱した言動を行わないなどの誓約書に署名している。19年9月に日本国籍を取得した。