【ロサンゼルス共同】メキシコで1日、有権者が裁判官を決める選挙が初めて実施された。司法に政策を阻止された政権与党が昨年、憲法改正でほぼ全ての裁判官の公選制を実現。政府は「汚職の排除」を説くが、司法の独立性が脅かされかねないとの声が出ている。
地元メディアによると、ほぼ全ての裁判官を公選制の対象にするのは世界でも異例。米国で採用している州があるほか、一部ポストを対象にボリビアなどが導入している。
メキシコの選挙管理当局によると、今回は連邦最高裁を含む2700近くの裁判官職を巡る投票を実施した。候補者には法律の学士号などが求められ、7千人以上が出馬。州管轄の裁判所を対象に実施したのは首都メキシコ市を含む19州で、残りの州の選挙は2027年にある。
公選制導入の憲法改正は昨年9月、左派与党、国家再生運動のロペスオブラドール大統領(当時)の下で実現。現地報道によると、ロペスオブラドール氏は、治安部隊を国防省の管轄下に置く政策や選管当局の予算削減などを司法に阻まれた後、憲法を改正すると表明した。