気象庁が刊行した150年史

 日本で気象業務が始まり1日で150年となり、気象庁は150年史を刊行し、2日公表した。地震、台風や大雨、噴火といった自然の脅威と向き合い、時代ごとの最新の知見や技術を駆使し、観測や情報発信に努めてきたことがうかがえる。

 年表も含め787ページで構成し、気象庁のホームページにも掲載。野村竜一長官は「次の50年、100年に向けた基礎資料としたい」と話している。

 年史によると、当時の東京気象台が明治初期の1875年6月1日に地震、同5日に気象の観測を始めた。天気予報は84年に開始。日清戦争を経て外地に展開し、1910年には全体で観測所が1249カ所になった。

 37年の日中戦争以降、業務は戦時体制に組み込まれた。気象情報は軍事機密となり、41年12月の太平洋戦争開始から45年8月の終戦まで、気象報道管制が敷かれ「天気予報や天気図は日常生活から姿を消した」とする。

 56年、気象庁が誕生。災害は相次ぎ、59年に死者・行方不明者が5千人を超えた伊勢湾台風が発生した。