河合隼雄物語賞に決まった小池水音さんの「あのころの僕は」(右)と同学芸賞で鈴木俊貴さんの「僕には鳥の言葉がわかる」

 第13回河合隼雄物語賞・学芸賞(河合隼雄財団主催)の選考会が2日、京都市で開かれ、物語賞は作家の小池水音さんの「あのころの僕は」(集英社)に、学芸賞は東京大准教授の鈴木俊貴さんの「僕には鳥の言葉がわかる」(小学館)に決まった。賞金は各100万円。授賞式は7月7日、京都市中京区のホテルオークラ京都で。

 物語賞の選考に当たった作家松家仁之さんは「言葉をしっかり獲得していない5歳の少年がどうものを見ているかを、追体験できる」と評価。学芸賞選考委員の霊長類学者山極寿一さんは「『アホな体験』を包み隠さず、ユーモアたっぷりに文章にできるのは、相当な自信がないとできないこと」と述べた。