公開された新型無人補給機「HTV―X」1号機の機体。右は伊藤徳政プロジェクトマネジャー=2日午後、鹿児島県の種子島宇宙センター

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ新型無人補給機「HTV―X」1号機を鹿児島県の種子島宇宙センターで報道陣に公開した。船外実験装置などを搭載した全貌を披露するのは初めて。H3ロケットで2025年度中の打ち上げを目指し、最終整備を進める。

 HTV―Xは、09〜20年に9回の輸送を全て成功させた「こうのとり(HTV)」の後継機。全長約8メートル、直径約4・4メートルで、太陽電池を翼のように広げると幅約18メートルになる。

 積載空間を広げ、運べる荷物は約4トンから6トン近くに増えた。給電も可能になり、冷凍庫などの機器が積める。部分的に先代の設計を活用し、開発費を抑えた。伊藤徳政プロジェクトマネジャーは「構想から今まであっという間だった。確実に仕上げられた」と自信をのぞかせた。

 ISSで荷物を降ろし、ごみを積んだ後は、先代のようにすぐに大気圏に突入せず、最長で1年半、飛行しながら新技術の試験などができる。