経常収支の推移

 財務省が9日発表した4月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比3・2%増の2兆2580億円だった。輸出の増加が寄与した。黒字は3カ月連続で、4月として過去最大となった。

 財務省の担当者によると、トランプ米政権の高関税政策の影響については「判然としない」と指摘し、目立った変動は見られなかったとの見方を示した。

 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は328億円の赤字。赤字幅は前年同月の6355億円から大幅に縮小した。

 輸出は4・0%増の8兆7691億円。アジアやアフリカ向けが伸びた。商品別では半導体等電子部品や食料品が好調だった。輸入は2・9%減の8兆8019億円で、北米からが減少した。

 投資に伴う利子や配当のやりとりの動向を示す第1次所得収支は9・6%減の3兆5899億円だった。対ドルで円高となり、海外から受け取る投資収益が目減りした。

 旅行などを含むサービス収支は7681億円の赤字で、赤字幅は拡大した。知的財産権等使用料の支払いが増加した。