【モスクワ、キーウ共同】ロシア国防省は9日、前日に侵入したと主張するウクライナ東部ドニプロペトロウスク州で占領面積を拡大したと発表した。米シンクタンク、戦争研究所は8日、同州との州境に近いドネツク州西部の衛星画像では、7〜8日に砲撃の痕跡が見られ、州境で戦闘が続いていると分析した。
ロシア軍は、どの地域からドニプロペトロウスク州に侵入したか明らかにしていないが、インターネットでは侵入時のものとされる動画が拡散。ドイツ大衆紙ビルトの軍事アナリストはX(旧ツイッター)で動画などを基に、ロシア軍が同州ノボパブリウカの東約6キロの州境から侵入したとの見方を示した。
ノボパブリウカは幹線道路が南北に通り、ドネツク州の前線に展開するウクライナ軍の重要補給路となっている。ロシア軍はこの補給路の遮断を狙っているとみられる。
一方、ウクライナ軍部隊の報道官は9日、地元メディアに「ロシア軍はドニプロペトロウスク州の州境に到達しておらず、ドネツク州西部で戦闘が続いている」と述べ、ロシア側の主張を否定した。