告発状提出のため神戸地検に向かう神戸学院大の上脇博之教授(右)ら=10日午前、神戸市中央区

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発者の私的情報を井ノ本知明元総務部長が県議に漏えいし、斎藤氏と片山安孝元副知事がそれを命じたり、そそのかしたりした疑いがあるとして、神戸学院大の上脇博之教授が10日、3人に対する地方公務員法(守秘義務)違反容疑などの告発状を神戸地検に提出した。地検が受理するかどうか検討する。

 調査した県の第三者委員会が5月、井ノ本氏による県議3人への漏えいを認定し「知事や元副知事の指示で、県議会一部会派への根回しの趣旨で漏えいを行った可能性が高い」と指摘していた。

 これまで斎藤氏は「指示はしていない」と否定。井ノ本氏は弁明書で「知事や元副知事の指示に基づき、部長の職責として正当業務を行ったに過ぎない」と主張し、県の停職処分を不服として争う姿勢を示している。片山氏は「行為は適正で秘密の漏えいには当たらない」とした上で「議会の根回しを(斎藤氏が)包括的に了解したと受け止めていた」とコメントしていた。