大阪・関西万博の広大な会場で発生する事件や事故に日々対応しているのが、大阪府警の専門部隊「会場警察隊」だ。会場には1日10万人超が訪れており、来場者数は累計600万人を突破。隊員らは「自分たちが安全を守ることで、お客さんが安心して楽しめたら」と意気込む。記者が1日の活動に密着した。
「東ゲート付近で高齢女性が座り込んでいる」。5月29日午前9時半、日高翔太巡査部長(36)と井上卓哉巡査(26)が会場内の巡回に出るや否や、無線が鳴った。約10分かけて現場に駆け付けると、既に女性は救護所に搬送されていた。
午前の気温は21度ほどだったが、女性は入場ゲートに並んでいる際に体調を崩したという。日高巡査部長は「気温が上がる夏にかけて熱中症がさらに増えるかもしれない」と警戒する。
開幕前の2月に発足した会場警察隊は約250人体制で、会場内やその周辺の警戒に当たっている。2人が所属する「地域警戒課」や、事件捜査を担当する「生活安全刑事課」があり、警察署と同様の機能を持つ。
迷子や道案内にも対応する。