パートら短時間労働者の厚生年金加入拡大を柱とする年金制度改革法案は、12日の参院厚生労働委員会で自民、公明、立憲民主3党の賛成多数により可決された。13日の参院本会議で成立する。付則には、基礎年金(国民年金)の将来的な底上げを明記した。石破茂首相は厚労委に出席し「将来の給付を充実させると同時に、現在の受給者の年金を増額させる」と法案の意義を強調した。

 厚労委採決に先立つ討論で、日本維新の会や国民民主党は「改革は不十分だ」「厚生年金加入拡大は対象範囲などの踏み込みが足りない」などと反対意見を述べた。共産党、れいわ新選組も反対した。

 法案は、厚生年金に加入するための年収要件(106万円以上)を3年以内に撤廃。企業規模要件(従業員数51人以上)を2035年10月に撤廃する。新たな加入者は計約180万人と見込まれる。「週の労働時間が20時間以上」などの要件は維持する。将来受け取る年金額が手厚くなる一方、新たに保険料負担が生じて手取りが減少するケースもある。