旅客機墜落事故で、奇跡的に助かったビシュワシュ・クマル・ラメシュさん=13日、インド・アーメダバード(共同)

 【アーメダバード共同】平日の日中、巨大な機体が市街地に突っ込んできた。インド西部アーメダバードで12日に起きた旅客機墜落事故は、昼食中の医学生や仕事中の運転手らを巻き込み、日常生活は暗転した。多数が犠牲になる一方、奇跡的に助かった乗客の男性もいた。「兄をまだ見つけられていない」。男性は搭乗券を握りながら声を絞り出した。

 「食堂で昼食を取っていたら叫び声が聞こえてきた。直後に天井が崩れ始めた」。旅客機は市街地にある医科大学の宿舎に激突。当時、中にいた医学生の男性は13日、共同通信の取材に応じ振り返った。

 地元メディアによると、英国籍のビシュワシュ・クマル・ラメシュさん(40)が唯一助かった。家族に会うため兄のアジャイさん(45)と共にインドを訪れ、数日滞在した後、英国に戻ろうとしていた。離陸の約30秒後、ごう音が聞こえ、搭乗機が降下を始めて墜落した。

 気が付くと、周りは機体の残骸と遺体ばかりだった。「怖くなり、立ち上がって走った」。同乗していた兄の姿はなく「彼を見つけるのを手伝ってください」と訴えた。