【北京共同】北朝鮮の交通インフラやエネルギー部門の技術者らが5月以降、代表団を率いて相次いで中国を訪問し、研修を受けていたことが17日、外交筋への取材で分かった。北朝鮮は外交・安全保障の分野でロシアに傾倒し、中国との関係に「すきま風が吹いている」との指摘もある。一方、基幹産業では中朝の協力拡大が確認された。
中国側にとっては、結び付きが最も強い経済分野を中心に北朝鮮への影響力を保つ狙いがありそうだ。
今月11日には北朝鮮鉄道省の幹部や技術者ら約20人が北京交通大学の招待で天津市を訪れ、高速鉄道の模擬運転を体験した。河南省では5月以降、北朝鮮石炭工業省の職員ら約20人が資源探査などを学ぶ15日間の講座に参加した。
中国人がトップの国連食糧農業機関(FAO)が江蘇省で始めた北朝鮮の魚の養殖研究や、山東省で進めている農業研修にも北朝鮮の技術者らが5月ごろに招かれた。
外交筋によると、国連安全保障理事会は制裁決議で北朝鮮労働者の派遣を禁じている。