農林水産省=東京・霞が関

 農林水産省は17日、コメの集荷業者と卸売業者が売買する際の「相対取引価格」について、5月の2024年産の全銘柄平均が、税込みで玄米60キロ当たり2万7649円だったと発表した。前年同月より77%高い。比較可能な1990年以降の単月として過去最高だった。4月から2カ月連続で過去最高を更新した。

 24年産の主要な銘柄米に対する需要が根強く、価格が上昇した。今年3月以降は政府備蓄米が市場に出回っているが、農水省は「放出で相対取引価格が大きく下がることは考えにくい」と説明。備蓄米による相場全体の押し下げ効果は、24年産の銘柄米には目立って及んでいないことが改めて裏付けられた。

 5月の取引数量は5万2千トンで、24年産の取引数量全体の約3%にとどまった。24年産米は不足感から例年よりも早期に契約が進んでおり、5月は取引が小規模になった。