衆院本会議に臨む財務金融委員会の井林辰憲委員長=18日午後

 衆院は18日の本会議で、財務金融委員会の井林辰憲委員長(自民党)の解任決議を野党の賛成多数で可決した。決議案は、野党が求めるガソリン税の暫定税率廃止法案の審議に応じなかったとして、野党6党が共同提出した。衆院事務局によると、現行憲法下で常任委員長の解任決議が可決されたのは初めて。後任の委員長に立憲民主党の阿久津幸彦氏を選出。財金委は理事懇談会を開き、19日の委員会で廃止法案を審議入りさせ、20日に質疑する日程を決めた。

 野党は早期の衆院通過を目指す。ただ、石破政権は22日までの今国会会期を延長しない方針を固めている上、参院では与党が過半数を確保しており、成立は困難な情勢だ。

 解任決議に関し、自民の坂本哲志国対委員長は「野党の横暴だ。会期末まで残り平日3日間という中でのパフォーマンスは、責任政党としてゆゆしきものだ」と批判。立民の笠浩史国対委員長は「暫定税率の廃止に向け、最後まで全力を挙げて取り組む」と強調した。

 本会議後、井林氏は「少数会派の意見を丁寧に聞くことを心がけてきた」と記者団に語った。