自動車関税を巡る日米の立場

 政府が対米関税交渉を巡り、自動車メーカーに対し、米国での生産増強の計画に加え、米国工場で製造した自動車の日本への「逆輸入」にどの程度対応できるかについて改めて聞き取りをしていることが19日分かった。週内をめどに回答を求めている。各社の最新動向を取りまとめ、対米投資の拡大と米国の対日貿易赤字の縮小につながる交渉カードの一つにしたい思惑がある。日本車に課される25%の追加関税の大幅な引き下げを狙う。

 石破茂首相とトランプ米大統領は16日にカナダで会談。自動車分野で対立が解けず、関税交渉の合意には至らなかった。政府は赤沢亮正経済再生担当相を訪米させて7回目の閣僚交渉の実施を視野に入れている。7月9日に迫る相互関税の上乗せ分の停止期限を見据えて早期合意を目指す。

 日本は米側が拒む自動車関税の撤廃を困難とみて引き下げ幅を重視。米英が合意した10%を一定の目安に置いているとみられる。ただ対象の英国車は年10万台に限られ、日本車の対米輸出(2024年は137万台)と規模が大きく異なる。