記者会見する浅尾環境相=20日午前、環境省

 環境省は20日、「地球温暖化は人間活動のせいではない」など誤った情報が拡散している現状を深刻に捉え、同省のホームページに気候変動の科学的根拠をまとめて公開を始めた。浅尾慶一郎環境相は同日の記者会見で「偽の情報や科学的な裏付けのない情報が広まることは、ゆゆしき問題だ」と指摘、情報発信を強化する方針を示した。

 インターネットなどでは「温暖化は人為的ではない」「温暖化と災害激甚化は関係がない」などの情報があふれている。米国で温暖化対策に否定的なトランプ政権が誕生して以降、こうした投稿が増えたとの見方もあり、脱炭素の取り組み推進には、早急な対応が必要と判断した。

 温暖化の情報は以前から公開していたが、人間活動が温暖化を引き起こしたとする国連報告書や、極端な大雨の回数が増えたとする気象庁分析などにアクセスしやすくした。環境省のホームページで「気候変動の科学的知見」と検索すれば閲覧できる。