昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のメンバーは20日、東京都内で外務省の中村仁威軍縮不拡散・科学部長と面会した。田中熙巳代表委員(93)が「日本は米国の核に頼らず、非核の姿勢を示して」と述べ、核兵器禁止条約への署名・批准や石破茂首相との再会談を求める要請書を手渡した。中村氏は「内容はしっかりと受け止める」と応じた。
面会は、政府や政党に核廃絶や原爆被害の国家補償を求める「中央行動」の一環。被団協メンバーは1月に首相に会い、3月の核禁止条約締約国会議への参加を求めたが、政府は見送っていた。
この日は厚生労働省の担当者とも面会し、箕牧智之代表委員(83)が国家補償や援護施策の充実などを盛り込んだ要請書を手渡した。
質疑応答では、国の援護区域外で長崎原爆に遭い被爆者と認定されていない「被爆体験者」を巡り、被爆2世の佐藤澄人さん(76)が、現地では当事者らが放射性降下物に関する調査を行っているとして、担当者に視察を求めた。